とや幸平パンフレットの”ウソ”と市民生活がよくならない理由

数日前、知人が「とや幸平パンフレット」を持ってきてくれた。

    


この手のパンフレットには所謂「いいこと」が並べてあるが、結構内容が”ウソ”である場合が少なくない。
基本的に”ウソ”は人を騙す時に用いる。つまり、人を騙すことで利益を得る=詐欺に等しい。
これを政治家がやると、「またか」となって政治不信が募る。

その1「日向市総合体育館を国民スポーツ大会で活用」
次期宮崎国体(国民スポーツ大会)が令和9年9~10月に実施されることになっている。
宮崎県のホームページに、各競技の会場が公表されている。
それによると、日向市は、ビーチバレー、軟式野球、ソフトボール、サーフィンの4競技である。
なので、日向市総合体育館は、国民スポーツ大会では活用されない。
ウソである。
もう一度言う。このパンフレットの記載は客観的にウソである!
十屋市長は、42億円超かかる総合体育館建設を推進しているが、市民の間では圧倒的に反対意見が多い。私は、令和5年4月から9月まで半年間十屋市長に中止もしくは見直しを提言したが、全く無視された。
その理由は、利権であり、裏取引だからである。
私に、それを指摘されたので、何とかアピールしたいのだろうが、アピールがウソに基づく内容では、完全にアウトだ。
最早、日向市総合体育館建設自体が、十屋市長の最大のアキレス腱となった。

その2「市の借金、大幅縮減」
パンフレットに記載された日向市の借金額は、平成29年度357億円 → 令和4年度310億円と5年間で47億円減っている。
で、私が調べたところ、この金額は普通会計の貸借対照表に記載されたものだった。
これを連結会計で見ると平成29年度469億円 → 令和4年度?である。
つまり、連結ベースでみると借金は平成29年度469-357=112億円も多い
連結ベースが本当の借金額であるから、普通会計の額で市民に説明するのはほぼ”ウソ”に等しい。
令和4年度については未公表である。したがって、借金が減っていることは間違いないが、だからと言って決して安心できる数字ではない。

その3「自由に使える財源(市税)を増やす」
パンフレットに記載された日向市の市税額は、平成28年度72.8億円 → 令和4年度86.1億円と6
年間で13.3億円増えている。
これを市民税で見ると、平成28年度28.9億円 → 令和4年度33.7億円と6年間で4.8億円増えている。
これを固定資産税で見ると平成28年度37.0億円 → 令和4年度44.7億円と6年間で7.7億円増えている
また、市民一人当たり税額(年間)でみた場合、市民税が、平成28年度46054円 → 令和4年度56725円と6年間で10671円増えている。
固定資産税が、平成28年度58946円 → 令和4年度75325円と6年間で16379円増えている

問題は、市民税ではなく固定資産税である。なぜなら、市民税は法人税の増収が寄与していると考えられるが、固定資産税は、単純に一人当たり16379円の負担増だからである。

日向市の財政上の問題点

ここでもう一度「日向市財政分析」で紹介した「令和3年度(令和4年3月31日)日向市財政データ」で説明したい。
上記のように、借金が減り、収入が増えているにもかかわらず、悪化している数字がある。
その1 1000人当たり職員数
平成28年度8.29(職員数520人) → 令和3年度8.74(職員数524人)
これを単純に全国平均と比べた場合、平成28年度67名 → 令和3年度74名多いことになる。
信じられないことだが、日向市はコロナ禍で市民が苦しい生活の中、正職員の超過数が67名から74名に7名増えていた。
新庁舎が完成し、広くなったので、広さに合わせて部署と正職員を増やしたのではないか?
しかし、市民生活は一部を除き全く豊かになっていない。
その2 年経常行政コスト
平成28年度444.5億円 → 令和3年度478.7億円で、34.2億円増加
その3 余裕額比率
平成28年度37% → 令和3年度30%で、7%悪化

したがって、本来なら、借金が減って収入が増えている訳だから収支に余裕が出る筈が、逆に行政コストが増えて収支が悪化し、余裕資金が減っている。
内部事情までは分からないが、恐らく、出鱈目なお金の使い方(利権政治=特定の業者にジャブジャブお金を配る、管理不能=放漫経営)が悪影響をもたらしていると考えられる。
市民の負担が増えているのに、行政が無駄金を使っているようでは、市民生活はよくならない。

尚、人口減少を穏やかに抑制(マイナス5.25%)したとしてアピールしているが、国全体で見るとマイナス3.52%だから、1.73%減り方が大きい。
僻地と比較してこんな数字をアピールしているようでは、頭がおかしいと思われる。

結論として、全体として、この市長は、笑顔を振りまく八方美人だが、日向市を復活させるビジョンに乏しく、マネジメント力が低い。
市民は、実態をしっかり見なければならない。

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