第3話「八百長裁判の始まり」

欠陥工事がもたらした大規模雨漏り

なぜ今回の八百長裁判、すなわち辰工務店リマーク裁判が始まったのかをお話する。

      

      

前回お話したように、私は、平成9年10月に辰工務店にリマークビル新築工事を発注し、平成10年3月に引渡しを受けた。
そして、平成20年3月まで10年間学習塾として使用したが、同月学習塾を閉校し、平成24年8月までいわゆる空き店舗だったが、平成24年9月から1階のみ賃貸した。

平成27年4月29日、私は物置として使用していた2階の空き室に用事があって久々に行った。
帰る間際、黒いものが視界に入り、ふと天井に目線を移すと、真っ黒に腐った天井板が水分の重みで下に垂れ下がった状態だった。
すぐに業者に連絡すると、明日防水専門の業者を連れて見に行くと言われ、4月30日いっしょに現場検証をした。

業者と屋上に上がると、防水シートのあちこちが一部切り貼りされており、その内の8ヶ所の中心から筒型のエア抜きが設置されていた。
また、その内の2カ所の防水シートの継ぎ目がめくれ上がり、そこから雨水が浸入していた。業者は「なぜこんな切り貼りするような防水上危険な工事をしたのか、しかも、エア抜きの設置方法が間違っている。」と説明した。
写真を見るとエア抜きが接着剤で固定されているのが分かるが、これでは、エア抜きの底面が接着剤で固定されたことによって、エアがエア抜きに入らないのでエア抜きにならない。

何ヶ所も狭い範囲でシートを切ってその部分だけ宛がうという、防水上非常にリスクが高いやり方で、しかも、使用する資材のメカニズムも設置方法も知らずに設置するとは、何千万円もの建築工事を請け負う業者としては、失格ではないか?
常識として、そう思った。
少なくとも、それによって大量の雨漏りを生じさせたことは紛れもない事実だった。
(後で、ゴムシートを重ねて貼り合わせる場合は、接着剤ではなく、ジョイントテープという接着用の強化テープを使用するのが常識であると判明した。つまり、そもそもゴムシート同士の接着は剥離が生じやすく、トラブルの危険性が高いからである。)

業者に、補修方法、費用についてたずねると、「そもそも、廉価なゴムシート防水は耐久性に問題があるから、やり直すのなら樹脂塗装にすべきでしょう。㎡当たり1万円くらいになります。また、すでに大量の雨水が進入しているので、一度防水シートを剥がした後、全体の下地の補修が必要で、倍まではないにしても、その分が上乗せになります。」という返事だった。
計算すると、屋上面積が230㎡なので、おおよそ400万円を超えることになる。

売却処分

正直、そんな大金はどこにもなかった。
私は、ビル所有の継続を諦め、売却することにした。
しかし、住宅ならともかく、オフィスビルが右から左にすぐ売れる筈もなかった。
折りしも、季節は梅雨に入り、2日に1日は雨が降った。
私は、雨水が滴り落ちてくる真下にバケツを置き、大きめの雑巾を敷いて、それから売却引渡しまでの4ヵ月間、数日おきに雨の後は必ず様子を見に行き、溜まった雨水の処理をした。

心配したのは、下に垂れた天井が床に落ちるのではないかということだった。
落ちたらビル全体が使い物にならなくなり、1階のテナント入居者への営業補償の問題も生じる。
恐怖だった。
雨が降り始めると、恐怖は増大した。
特に夜雨が降り始めると、恐怖で寝れなくなった。
土砂降りの時は、ノイローゼ状態だった。

4ヵ月後の平成27年8月31日、無事売却引渡しを完了した。
見込より、500万円値を下げて。

問合せの書簡を送る

当初「諦めよう、忘れよう。」と思っていたが、やはり無理だった。
いつまでたっても、苦しんだ4ヵ月間が思い出された。
忘れられない理由は、欠陥工事だった。
これが、台風被害などの不可抗力であれば、忘れられただろう。
しかしこれは人災だった。

平成28年9月5日、私は、リマークビル新築工事当時の社長である黒木辰彌氏に、写真と書簡を送った。
「これは欠陥工事ではないのか?見解を聞かせて欲しい。」という内容だった。
回答指定期限である9月17日までに回答がなかったので、もう1日待って、19日に催促の書簡を送った。

不当提訴

翌20日午後2時33分、私の携帯に辰工務店代理人弁護士崎田健二氏から電話があった。
私を訴える、という内容だった。

私は、あっけにとられ、通告を受けた後しばらく呆然としていたが、30分ほどして、提訴内容及び依頼人を確認するため、代理人弁護士崎田氏へ電話した。
すると、依頼人は、書簡を送付した相手である黒木辰彌辰工務店会長だけではなく、黒木豊一社長、株式会社辰工務店の三者であり、各100万円の請求で計300万円の請求との説明を受けた。
本当かどうか確認するために、委任状のファックス送信を依頼した。
すると、しばらくして三者の委任状が届いた。
委任日は、9月7日になっていた。

ここで私は、ある推測をした。
辰工務店は、私が9月5日に送った書簡を受け取った直後に、回答をしないで提訴することを決め、訴訟手続きを弁護士に依頼したが、いくら何でも1回書簡を受け取ったぐらいで提訴すると提訴権の濫用とばれるから、意図的に無視して私が次のアクションを起こすのを待っていた。
そして、20日に催促の書簡が届いたので、弁護士に連絡をとり、私に提訴通告をさせた。
確実に、提訴通告したかったので、わざわざこの時に限って携帯にかけた。

また、本気で提訴するなら、前もって「提訴しますよ」とアナウンスする馬鹿はいない。
ということは、和解を望むか、脅しかである。
しかし、和解を望むなら、通常回答なしということは不自然である。
和解を希望する場合は、見解を示し、「お互いの事情を考慮し、歩み寄って和解しましょう。」というのが一般的である。
つまり、そうではないので、これは脅しである。
脅して、私を引っ込めさせようという意図である。

作戦

そう考えた私は、辰工務店の「作戦」を確かめるための「作戦」を立てた。
つまり、常識として、もし欠陥工事でないなら、「この雨漏りの原因は欠陥工事ではなく、こうこういう理由ですよ。」という回答や釈明がある筈だし、もし脅しでないなら、「提訴するのは、こうこういう理由であり、正当な理由に基づいたものですよ。」という回答や釈明がある筈である。

その回答や釈明を辰工務店に求め、「裁判は受けて立つけど、それはそれとして、欠陥工事と提訴理由について説明を求め、公開で論争しましょう。」と呼びかけた。
すると、即拒否された。
具体的に言うと、欠陥工事の認否自体をしなかった。
認めることも、否定することもせず、一切無回答だったのだ。
それだけではない。
辰工務店代理人弁護士崎田健二氏より、次のような通告があった。
「刑法230条の名誉毀損罪は、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁固又は50万円以下の罰金に処する」と定められており、このことからも明らかなように、名誉毀損罪は、公開した「その事実の有無にかかわらず」犯罪として成立するものです。よって、貴殿を刑事告訴することと致します。」
さらに、「ついては、貴殿の独り善がりの論理で身を滅ぼすことがないよう、貴殿の信頼できる弁護士に早急にご相談に行かれるよう通告します。」

なかなかの迫力である。
「身を滅ぼす」という短い一言だが、あたかも予言するかのような、もしくは、それを強く望んでいるかのような表現は、私達庶民の実生活の中では、フィクションでも読まない限りは普段目にすることがない、ストレートに凄みを感じる(実際見た瞬間、心臓が止まりそうに感じたが)強烈な一言である。

もちろん私にとって、こんな恐ろしい文言の通告は、生涯初めての経験だった。
なかなかお目にかかれないという意味では、貴重な経験になったが、やはり弁護士という職業柄、相手が恐怖を感じるような凄みのある表現を適切に使用することが必要なのだろうか?

ここまで来ると、脅しは間違いない。
一般社会のやり取りの中で「身を滅ぼす」などという、アクション映画に出てきそうなセリフは使用しない。
私の「辰工務店の作戦を確かめるための作戦」は成功し、やっぱり辰工務店の作戦は、私を脅して引っ込めさせようというものだと確信した。


トヨタや日立は顧客を訴えないし、脅さない

本質的、根本的な話をする。
トヨタ自動車に、顧客が「これは欠陥自動車ではないか?」と言うとしよう。
トヨタ自動車は、顧客の話に耳を傾けて、謝罪し、徹底した原因究明に全力で取り組むだろう。
原因究明終了まで、顧客に無料で代車を提供し、終了後は、詳細な報告書を渡した上で、本当に欠陥なら、部長クラスが直接訪問し、十分な補償と謝罪を告げるだろう。
いや、トヨタ自動車だけではない。
私は大学卒業後日立グループに勤めたが、日立でもまったくその通り、技術の日立を謳っている日立にとって、技術トラブルの責任を持つことは、至上命題、企業の生命線であった。
一般社会通念上、企業が社会的責任を果たすことは、説明がいらないほど当然のことであり、欠陥を指摘した顧客への対応を誤るなら、それは自殺行為である。
私は日立でそう教わったし、日本全国の日立社員は皆そう認識している。
だから、トヨタも日立も、100年以上ブランド価値を維持し続けることができるのだ。
トヨタが、日立が、顧客を訴える?脅す?
あり得ない!

企業活動は隠蔽したらいけない

企業活動は、企業秘密以外隠蔽したらいけない。
企業活動は社会的活動である。
自己満足や自己完結が目的のプライベートな創作や信仰ではない。
顧客や一般社会相手の活動である。
広く顧客や一般社会を対象にしておいて、競争上の企業秘密を除いて、自社に都合のよい企業活動の一部だけアピールし、不都合な部分を隠すのだとしたら、それ自身が反社会的行為、社会への裏切りである。
したがって、不祥事やトラブルがあった場合、基本、情報公開しなければいけない。
隠蔽して、揉み消すなら、利己主義の企業だと非難されるだろう。
不祥事やトラブルがあった場合、自ら公表し、原因究明後、再発防止策を表明するのが本来の姿であり、そうすることによって、社会的信用が高まり、消費者本位の、誠実な企業だと支持されるのである。

こうした考え方は「一燈照隅」でも説明している。

企業情報の発信は名誉毀損にはならない

企業の不祥事やトラブルに関する情報を発信した場合、それによって社会的信用が低下したとしても名誉毀損にはならない。(最高裁判例の通りである。)
なぜなら、企業の不祥事やトラブル情報自体が公共性を持ち、その情報を第三者に提供することは公益(公共の福祉)に寄与するからである。
そうした情報は、消費者及び一般市民にとって有益であり、逆に得られない場合、不利益に繋がる。
したがって、名誉毀損罪に該当するという理由で、消費者及び一般市民の利益を犠牲にして、企業の不祥事やトラブル情報の発信を妨げるなら、それは反社会的行為となる。
裁判官が、企業の不祥事やトラブル情報の隠蔽を手助けして企業を守るって、一体どういう了見?
何度でも言うが、岸田裁判官の判決は誤りである。(事実は、恐らく、岸田裁判官は、インチキ判決文を書かされただけだが。)

そして裁判が始まった

説明が長くなったが、こうして裁判が始まった。
問題は、最終的に「裁判官の認定」である。
私ができることは、主張と立証だけだ。
私は、約1年半、全力で立証に取り組み、ほぼ完璧に立証した。
欠陥工事についても、これ以上無理というくらいのレベルまで完璧な立証をした。
専門家の力も借りた。
何回も裁判の意見書を書いたことがある佐伯市の建築士、井上一則氏である。
井上氏の見解の正しさは折り紙付で、経歴が示している。

ウソつきと恥知らずの天下

「(立証は)もうこれでケチはつかない。」
そう思った。
確かにケチはつかなかった。
そりゃあそうだ。
ケチのつけようがないほど完璧な立証をしたのだから。
しかし、確かにケチはつかなかったが、立証自体を無視された!
「インチキ判決ここにあり」と大声で言いたかった。

日本の裁判、日本社会は、暗く深い闇に包まれている。
国民は、それを認識しなければいけない。
大ウソつきの総理大臣が、紙幣を刷って金利を下げ、株価を支え、円安に誘導し、大企業の業績を回復させ、失業率が下がったと言って自慢し、お友達にじゃぶじゃぶ補助金を与え、アメリカから使いもしないミサイルを買ってトランプに可愛がられ、金を援助する以外の外交成果は何も上げられないにも拘わらず、国民が望まない三選を果たそうとしている。

その結果、「ウソはついた方が勝ちだ。」と考える者が増え、日本国中ウソつきだらけ、裁判官は、金と権力の所有者とズブズブの関係になり、国民を騙し、誤魔化し、無視し、不当判決とインチキ判決を乱発する。

一言で言うと、今の日本は、「ウソつきと恥知らずの天下」だ。
私は、最終的には、日本を捨てるしかないと考えている。
あのノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏のように。
正直、今の日本には、フェアな社会の希望の光がない。
「正直、公正」すら否定されるくらい、精神の健全性がない。
日本人としての誇りを持てない。
ウソつきと恥知らずばかりの国にいても、いい人生は送れないし、そんな国で子供や孫に幸せになって欲しいと願うのはナンセンスだ。
「ウソつきと恥知らずの天下」の国で、一体どうやって真面目な人生が報われるのか?
そんな国は捨てるに限る。

情報発信は私の使命

しかし、日本を捨てる前にやることがある。
裁判は多額の税金で支えられている。
私は、その裁判をしたし、今後もする。
だから、内容と結果を多額の税金を負担した国民に報告する義務がある。

国民の皆さん、皆さんが多額の税金を負担した裁判の実情はこうですよ!
裁判はウソだらけで、裁判官は人を騙すから、気をつけてくださいね!
八百長裁判(インチキ判決)というのは、このようにして行われるのですよ!

自分のためではない。
自分のためだったら、こんな危険な(不当な圧力をかけられる危険性がある)ことはしない。
善意の国民を守るという使命を果たすためにするのだ。

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